
注意
本記事で紹介する費用や制作プロセスは一例であり、制作会社・フリーランスによって異なる場合があります。
ホームページ制作を外注するメリット・デメリット
外注は、個人事業主・中小企業にとって大きなメリットがありますが、一方で注意すべき点もあります。まずは「外注すべきかどうか」を判断するため、メリットとデメリットを整理しておきましょう。
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制作方法全般を比較した ホームページを作るにはどこに頼む?制作会社・フリーランス・自作の違いを比較 も併せて読むと、外注という選択肢の位置づけがさらに明確になります。
外注するメリット(品質・効率・専門性)
1. デザインや構築の品質が高い
プロはUI/UXの基本、WordPressのセキュリティ、SEOの基礎などを理解しているため、見た目だけでなく“使いやすいサイト”になりやすい点が大きなメリットです。
2. 作業時間を大幅に削減できる
ホームページ制作は、調査・構成・デザイン・コーディング・設定…と工程が多く、初学者が数十〜数百時間かかることもあります。外注することで、本業に集中できます。
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この点については、 無料ホームページサービスとWordPressの違いを徹底比較|目的別の最適な選び方 の記事で、外注と自作の役割・使い分けもあわせて確認しておくと選択肢が広がります。
3. 技術的な問題に対応してくれる
更新のしやすさ、スマホ対応、WordPressの初期設定、セキュリティ対策など、専門知識が必要な部分を任せられます。
外注するデメリット(コスト・コミュニケーション・依存リスク)
1. コストがかかる
自作に比べれば当然費用は上がります。
逆に“安すぎる制作”はトラブルの温床にもなりやすいため注意が必要です。
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この費用感や相場を把握したい場合は、 ホームページ制作の費用相場をわかりやすく解説(外注/自作) もご覧ください。
2. 伝え方によって仕上がりが変わる
目的やデザインの方向性が曖昧なまま依頼すると「イメージと違うサイト」になることも。
3. 制作会社に依存してしまうリスク
管理者権限をもらえない、更新方法がわからない、独自CMSでロックされる…といったケースもあります。
外注が向いているケース/向かないケース
向いているケース
- 本業が忙しく制作に時間を割けない
- デザインやWordPressに自信がない
- スマホ対応・SEOなどを最適化したい
- ビジネスの信頼性を高めたい
向かないケース
- とにかく初期費用を抑えたい
- 自分で触りながら学びたい
- 更新頻度が極端に低い
- とりあえず形だけあればよい
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ホームページ不要論は本当か?成功事例と失敗事例から考える を読んで、実際の成功・失敗の比較視点も加えると理解が深まります。
外注でよくある失敗パターン
外注トラブルは、「最初のすり合わせ不足」がほとんどの原因です。
以下のパターンは特に多いため、依頼前に把握しておきましょう。
見積もりが不透明で後から追加費用が発生する
「ここまでは含まれていないので追加料金です」と言われる典型例です。
よくある追加費用
- WordPress化
- フォーム設置
- スマホ対応
- 画像加工
- ブログ機能
- ページ追加
見積書の“範囲”が曖昧な会社は要注意です。
要件が伝わらずイメージと違うデザインになる
「おまかせで」と依頼すると、ユーザー目線ではなく制作者の感覚で作られることも多いです。
参考サイトを3つ以上用意するとミスマッチを防げます。
機能面や運用面のすり合わせ不足
制作後に「更新が難しくて結局触れない」「ブログ投稿がやりづらい」という声も多く聞きます。
WordPressの場合、ブロックエディタに最適化されているかどうかは特に重要です。
納期遅延・レスが遅いなどコミュニケーションの問題
小規模業者やフリーランスの場合、他の案件と並行していることも多く、動きが遅れるケースがあります。スケジュールの共有は必須です。
納品後に更新できず、制作会社に依存してしまう
- ログイン権限を渡してくれない
- 変更を依頼するたびに追加費用
- 独自CMSでロックされている
- サーバー契約を代行されていて自分で解約できない
こうした“囲い込み”は大きなトラブルに発展します。
外注前に必ず決めておくべきこと
外注で成功するかどうかは、依頼前の準備にかかっています。
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外注の前に、 ホームページは必要か?不要か?【完全ガイド】 でホームページ自体の価値と位置づけを再確認しておくと、外注目的がぶれません。
サイトの目的・ゴール(誰に何を届けるサイトか)
Webサイトは「目的」が曖昧だと成果が出ません。
- 問い合わせを増やしたい
- 集客導線を整えたい
- 事業の信頼性を高めたい
- 採用ページを整えたい
目的は1つに絞る必要はありませんが、優先順位は必要です。
必須機能・ページ構成の整理
ここを決めずに外注すると迷走します。
例)5〜7ページで最低限必要な構成
- トップページ
- サービス
- 料金
- 実績
- 会社概要
- お問い合わせフォーム
予算・納期・運用体制の決定
「いくらまでなら出せるか」「毎月どこまで更新するか」を明確にしておきましょう。
競合サイト・参考デザインの準備
参考サイトのURLがあるだけで、制作の方向性が一気に定まります。
制作会社・フリーランスの選び方
良い外注先は、「技術力 × コミュニケーション × 誠実さ」で決まります。
得意分野・対応範囲を確認する
制作会社ごとに得意領域が異なります。
- デザインが得意
- WordPressが得意
- 集客・SEOに強い
- LP制作が中心
- BtoB専門 など
自社の目的と合っているかが重要です。
実績・ポートフォリオを見るポイント
ただ作品を見るだけでは不十分です。
チェックすべきは以下の点です。
- スマホで見たときの使いやすさ
- デザインの一貫性
- 読み込み速度
- コンテンツ量のバランス
- 制作物が「成果につながっていそうか」
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外注先の選び方全体像として ホームページを作るにはどこに頼む?制作会社・フリーランス・自作の違いを比較 もあわせて確認してください。
料金体系(パッケージ or カスタム)の確認
パッケージ料金は安心ですが、制限が多いことも。
カスタム制作は柔軟ですが、見積もりが高くなりがちです。
契約前に確認すべき5つのチェック項目
- 見積書に“範囲外項目”が明記されているか
- 修正回数の上限
- 画像・文章の提供方法
- WordPressテーマの種類(自作 or 市販 or 既存テーマ)
- 納品形態(データ一式/サーバー設定含む/管理画面権限)
相性の良い外注パートナーの見つけ方
- 質問に対する回答が具体的
- 専門用語を噛み砕いて説明してくれる
- こちらの目的を深く聞いてくれる
- メールの返信が早く丁寧
こうした点は信頼性に直結します。
依頼時に必ず確認すべきポイント
見積もり内容の内訳
以下のように細分化されていると安心です。
- デザイン費
- コーディング費
- WordPress構築費
- プラグイン設定
- お問い合わせフォーム
- 画像加工
- テスト・検証
- 納品作業
- 保守費用
納品データの扱い(著作権・ソースコード・管理権限)
とくにトラブルが多い項目です。
- 画像の著作権は誰のものか
- 写真を提供した場合の利用範囲
- ソースコードの所有権
- WordPressの管理者権限は渡してもらえるか
- ドメイン・サーバーの所有者は誰か
必ず文書で確認しましょう。
WordPressテーマは自作か、市販か、既存テーマか
メリット・デメリットを知っておくことが大切です。
- 自作テーマ:自由度高いが費用がかさむ
- 市販テーマ:機能豊富だがカスタム制限あり
- 既存テーマ流用:費用抑えられるがデザイン制約あり
追加費用が発生する基準を明確に
例:
- ページ追加
- 特殊なアニメーション
- 写真撮影
- ロゴ制作
- 原稿作成
- 特殊機能(予約システムなど)
進行管理や連絡方法
メールのみでやりとりするのか、進行管理ツールを使うのかによって、制作スピードが大きく変わります。
制作プロセスごとの注意点
ヒアリング・要件定義で気をつけること
- 目的の明確化
- ターゲットユーザー
- サイト構成
- 必須機能
- 競合・参考サイト
- 運用体制
ここが曖昧だと、仕上がるサイトにも必ず影響が出ます。
ワイヤーフレーム・構成案の確認ポイント
- ページ内の流れは自然か
- 情報の優先順位が適切か
- ボタンの位置や大きさは適切か
- 余白や視線誘導は整理されているか
デザインチェックで見るべき項目
- 色使い・フォントの一貫性
- スマホ時の見やすさ
- ブランドらしさ
- 画像とテキストのバランス
- アクセシビリティ(読みやすさ)
WordPress構築時の注意点
- ブロックエディタに最適化されているか
- 自分で更新しやすい作りになっているか
- 不要なプラグインが多すぎないか
- セキュリティ対策がされているか
特に「自分で更新できるか」は重要です。
テスト公開〜納品前チェックリスト
- スマホ・タブレットでの表示確認
- お問い合わせフォームの動作
- 表示スピード
- お知らせ・ブログの投稿テスト
- 404ページやサンクスページの設定
契約・支払い・トラブル防止のポイント
契約書で押さえるべき項目
- 著作権の扱い
- 修正回数
- キャンセル規定
- 納期
- 支払い条件
- サーバー保守の内容
支払いタイミング
一般的には3パターン。
- 着手金+納品後残金
- 着手金+中間金+納品後残金
- 完全後払い(注意が必要)
運用・保守契約の有無と注意点
- バックアップ
- セキュリティ対策
- 更新代行
- バージョンアップ対応
必要な範囲のみ契約するのがベストです。
よくあるトラブルと事前に避ける方法
- 要件定義が曖昧 → ヒアリングで文書化
- 納期遅延 → スケジュール共有
- デザインの認識違い → 参考サイトを提示
- 追加費用 → 見積もりに範囲外項目を明記
- 更新できない → 管理権限を必ず受け取る
失敗しないためのチェックリスト(まとめ)
外注前チェックリスト
- 目的が明確
- ページ構成が決まっている
- 予算と納期が確定
- 参考サイトを用意
- 運用体制を想定
制作中チェックリスト
- スケジュールが共有されている
- 修正指示は具体的に伝えた
- デザイン方向性の認識一致
- 更新しやすい構造になっているか確認
納品前チェックリスト
- スマホ表示の最終確認
- フォーム・リンク・速度のテスト
- WordPress管理権限の受け取り
- 納品データ(素材・ファイル一式)の受領
- 今後の運用方法のレクチャーを受けた



